たくさんの国立公園や州立の森林公園、自然公園などを持つノース・クイーンズランド(クイーンズランド州北部)は、ハイカーにとってもすばらしい場所です。こうした豊かな自然の中でのハイキングはブッシュウォーキングと呼ばれ、オーストラリアでは多くの人に親しまれています。日帰りで国立公園を訪れるのに特別な許可は必要ありませんが、キャンプをする場合には許可が必要です。
多くの国立公園や自然公園には、軽い散策から本格的な熟練者向けコースまで、体力や年齢に応じたいろいろなハイキングコースが設けられています。 コースには案内標識が設置され、よく整備されており、距離や設備についても比較的よく配慮されています。 ケアンズの街の近くのハイキングコースで最もよく知られているのは、ウィットフィールド山(Mt. Whitfield)にある、レッド・アローとブルー・アローです。 道はところどころでかなり険しくなりますが、見晴らし台に着けば、ケアンズの街から珊瑚礁まで一望できるすばらしい景色を楽しむことができます。レッド・アローは一周約1.3km、所要時間は1時間程度です。 各コースには案内標識がきちんと設置されています。また、街の中心部からウィットフィールド山まではタクシーを利用すると便利です。
国立公園のハイキングコースでは、鳥、蝶、小型哺乳類、爬虫類など、たくさんの野生動物を見ることができるでしょう。 生い茂る熱帯雨林、色鮮やかな花々、美しいラン、イチジクの巨木、そして見事な滝、背景をなす山並みや眼下の海岸線に沿って広がる平野の眺めが、すばらしいハイキングを演出してくれます。
ハイキングに関する注意事項 - ハイキングをするときには以下の簡単な注意事項を守るようにしましょう。
- 準備を充分に整えること
必ず誰かに行き先を伝えておきましょう。携帯用の救急セット、雨具、帽子、飲料水、時計、虫除け、日焼け止めを携行しましょう。
- 水辺では充分注意すること
濡れた岩は滑りやすく、川や水路では予想以上に流れが速かったり、水中にある岩や丸太などの障害物が見えにくいことがあります。 また、泳ぐ前には必ず、ワニ、クラゲ、危険な滝などの警告標識がないかどうかを確認しましょう。
- ハイキングコースから外れないこと
地図や案内標識をチェックしながら歩きましょう。
- 野生動物に餌を与えたり触ったりしないこと
人間の食物は野生動物にとって害になる場合があります。また、驚いた動物が人間に噛みついたりひっかいたりすることがあります。
- ペットは持ち込まないこと
犬や猫が野生動物を殺す被害は、毎年何千件にも上っています。 もしペットと一緒に旅行している場合には、国立公園を訪れる前にペット預かり所などに預けておきましょう。
- 良識ある行動を取ること
ハイキングを楽しむほかの人たちの妨げにならないよう、騒音を出すことは慎みましょう。
- 火の管理に注意すること
備え付けの炉や専用のバーベキュー設備を使用しましょう。
- ゴミは持ち帰ること
ハイキング専用の地図やガイドブックはケアンズ市内で簡単に入手できます。 "50 Walks in North Queensland" (Tyron Thomas 著)という優れたガイドブックが発行されており、おもなハイキングコースのほとんどが紹介されています。 各コースの距離、所要時間、道の状態、難易度、コースのポイントが詳しく記載されています。 この本はケアンズの書店で購入することができます。
また、いろいろなハイキング専門の日帰りツアーも催行されています。 どのツアーも、参加者の体力や経験のレベルに配慮してくれます。 オーストラリアの自然は美しいものですが、適切な注意を怠れば危険な場所へと変貌することもあります。 経験のあるガイドと共に歩くことは、最も安心できる方法です。
|